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新約 とある魔術の禁書目録11巻レビュー。食蜂さんの切ない純愛物語

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外伝であるとある科学の超電磁砲の方でデビューし、高飛車なライバルキャラと思いきや、実は情に厚く、純情一直線な常盤台中学もう一人のレベル5、食蜂操祈さんが、遂に本編に本格登場の11館。原作でもちょちょいその存在が御坂などから語られていたキャラでしたが、長らく登場しなかった食蜂さん。超電磁砲の大覇星祭編での活躍を経て遂に原作でメインヒロインの大役に抜擢。原作7巻でもわりと大きな出番がありましたが、あくまで脇を固める立場でした。あとがきで鎌池先生も「使いどころが難しい」キャラと位置づけていて、構想自体は随分前からあったようですが、新約9巻で鎌池先生の中でのブレイクするーがあった模様。9巻は確かに禁書史上最高傑作の呼び声高い作品で、その急展開に驚きの声が多く聞かれましたね。
 
新約 とある魔術の禁書目録 (11) (電撃文庫)

さて、今回のお話は魔術側のスケールの大きな話ではなく、科学サイドメインのパーソナルな物語。食蜂さんと上条さんはどうも昔から知り合いらしいのは、原作でも超電磁砲の方でも匂わせていましたが、その過去がいよいよ明らかになります。

ストーリーは、非常にトリッキーで2転3転の逆転展開を見せる構成なのでネタバレは避けますが、食蜂さんの能力「心理掌握(メンタルアウト)」の特徴をいかした記憶の不確かさに関する物語です。記憶は、禁書全体を語るうえでもとても重要なキーワードですね。ヒロイン(?)のインデックスの能力が完全記憶能力で、上条さんは記憶を失っています。食蜂さんは人の記憶を操作することもできる精神系能力者の最高峰。彼女の生涯1、2を争う幸せな期間の記憶は果たして本物なのか・・・というのが今回の本筋です。
インデックスや御坂に出会う前の上条さんが登場する貴重なエピソードな本作。上条さんはやはり昔から上条さんだったんだなあ、という感慨と食蜂さんの上条さんに対する気持ちがなんとも切ない。禁書の数あるエピソードの中でも屈指の切ない純愛物語に仕上がっております。なるほど御坂にあんなに突っかかるのには、こうした理由もあるのか・・・
この美しい過去を知り、記憶を失っていなければもしかしたらあり得たかもしれない現在を想像すると胸が締め付けられます。

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人生にはこういう、どうしても手に入らないものがあるんです。しかし、手に入らないからといって(今回の敵役にように)絶望して、だったた全部壊してしまえ、じゃいけないのですよね。幸せな記憶も、それがあるゆえの切なさと寂しさも両方抱えながら、みんな生きていくんですね。

ああ、これからの食蜂さんに幸あれ。ドリーとのエピソードなどもこれから書かれたらいいなあ。

新約 とある魔術の禁書目録 (11) (電撃文庫)
鎌池和馬
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-10-10)
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